ラクダと私

 ラクダはサハラ文化にとって重要な役割を果たしてきた。サハラを南北に横断するラクダのキャラバンの交易は物資だけでなく文化の交流を促してきた。
 アフリカの砂漠とオアシス地域ではラクダ牧畜が行われている。ラクダ牧畜は乾燥によく適応したヒトコブラクダを主体として行われる。ラクダのまぶたは二重で砂塵を防ぎ、鼻孔も自由に開閉できるなど砂漠生活に適した形態をしている。背のこぶは脂肪の貯蔵庫で食物をとらないとこぶは縮小する。数日間、水を飲まないでも生活できる。

 私が訪れた西アフリカ、ブルキナファソのゴロンゴロンという町で行われる木曜市ではラクダ、ロバ、ヤギ、羊、牛が売り買いされていた。ラクダは宗教的、社会的価値を持っており、婚資や儀礼に用いられるが、単に肉用に屠殺されることはない。
 砂漠でラクダに乗るとギシギシとラクダの砂を踏む足音とブフーッという鼻息が聞こえてくる。一歩一歩が大きいので揺れが激しくバランスを取るのが難しい。時々、ラクダにガブッとかまれることがあるので注意しよう。
 ラクダにはどこかのんびり、ゆったりとしたイメージがある。ラクダはおよそ1300年前から砂漠を渡る船として交易に関わる国々を結びつけてきた。ラクダが背負ってきたその長い壮大な歴史が私を魅了する。

 参考文献
2001『アフリカを知る事典』 平凡社
2002West Africa 5th edition,Lonley Planet Publications

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